日本語教師の就職先
日本語教師の就職先は、日本語学校、大学、小中高等学校、インターナショナルスクールなどの教育機関や、企業内外国人従業員への日本語レッスン、技術研修生の研修所、自治体の日本語教室など、国内だけでも多岐にわたり、さらに海外での日本語教師が多く求められるようになってきています。
このうち、大多数の未経験者がデビューする場は日本語学校か自治体の日本語教室です。その他は日本語教師の資格以外に要求されるものがあります。大学では日本語教育や言語学関連の修士号以上が必要ですし、一定の経験を要求するのが一般的です。公立の学校では教員免許、インターナショナルスクールでは幼児・児童教育の知識や高い英語力を要求されます。研修所や企業派遣は即戦力・専門知識を要求されるので、未経験者が採用される可能性は低いと思われます。
自治体の日本語教室は、やりがいのある場なのですが、基本的にボランティアなので、職業として日本語教師を考えている人はほとんど日本語学校で教壇デビューを果たしています。
国内の日本語学校
日本国内の日本語学校等日本語教育機関は、平成30年の集計で258校あり、それぞれ個性的で、たとえば留学生の国籍や日本留学の目的、卒業後の進路など、さまざまです。
まずは自分の適性や希望に合う日本語学校を探すことから就職活動は始まります。
説明会や就職ガイダンスなどを実施しているところには積極的に参加するといいでしょう。
また、訪問することがあれば学生の様子や職員室の雰囲気、日本語教師以外の職員の割合なども確認しておくと参考になると思います。
日本語学校の面接では、たいていの場合「模擬授業」があります。
専任の先生を相手に15分程度の授業を行い、採用側は、どんな準備をしてきたか、どのような授業をするのかを見ます。
その他のポイントは以下のようなものでしょう。
- コミュニケーション能力が高く、気配りができる。
- どのような学習者とも努めて公平に接することができる。
- 他の教師とも協調して、チームティーチングを行える。
- 積極的に新しいことに取り組む意志がある。
- 基本的な一般常識がある。
例として、私たち赤門会日本語学校の求人募集ページをご参照ください。
日本国内の日本語学校の場合、最初は非常勤講師としてスタートすることがほとんどです。
受け持つコマ数によっては、ほかの仕事をかけもちするなどして、生活を支えている教師も多くいます。
その後、意欲と能力をかわれ、専任として採用されるケースも多々あります。
赤門会日本語教師養成講座では受講生の就職相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
海外の日本語学校
地域別ではやはり東アジア・東南アジアが多く、欧米での就職は比較的難しくなっています。
また、日本国内の日本語学校から姉妹校・提携校への派遣という方法もあります。
海外で就業する場合でも国内同様の資格条件を提示されることが多いので、420時間コースを修了するか日本語教育能力検定試験に合格しておくことは必要です。
また、最終面接は現地で行う学校が多くなっています。
その点、国内の日本語学校の姉妹校・提携校であればスムーズかもしれません。
また、JICA等公的機関による派遣もあります。
日本語教師の資格を満たしていれば、おおむね応募できますが、ある程度の英語力、地域によっては特定の語学力が要求されます。未経験者でも採用の可能性はないとは言えませんが、2~3年国内で経験を積んだ後、応募するというパターンが一般的です。
企業内の日本語講師
現在多くなってきているのが、企業や官公庁などに来ている外国の方に日本語を教える日本語講師・日本語トレーナーの仕事です。
いま日本で製造業・サービス業・小売業などさまざまな業種・業界・官公庁で外国の方が働いています。
そのような方に日本語を教える仕事の重要性は年々増しています。
資格は国内の日本語学校の応募資格とほぼ同じですが、どちらかといえば実務経験が重視されており、場合によっては資格がなくても採用されるケースもあります。
授業対象者は日本語を初めて学ぶ方も多く、学習者に合った工夫が求められます。
また、英語など外国語能力も必要とされる場合もあります。
理想としては数年の経験を積んでから、チャレンジするのがよさそうです。
私塾・個人レッスンなど
日本語学校のような大規模な設備やカリキュラムではなく、ワーキングホリデーなどで日本に滞在する外国の方などを対象としたもので、学習者の目的に合わせて授業を行うところが多いようです。
また、個人レッスンは、塾に所属して塾で個人レッスンをするケースと、家庭教師的な個人レッスンがあります。
また、国内海外問わずボランティアも数多く募集されています。