テストの配点
カテゴリ:日本語教師のつぶやき
このところ、あまりテストを作る機会がなかったのですが、先日久しぶりに作る機会がありました。日本語教師も先生業なので、テストを作らなければなりません。
これから日本語教育の道に進もうという方も評価法の授業でいろいろと評価に関わることがらを学ぶことになりますが、今日はちょっとした「テスト作りの知恵」について書いてみます。理論的なことは評価法の授業で学びますから、「生活の知恵」のような角度で。
実際に採点する時に「さあ、どうしよう」という時があります。テストには客観テストと主観テストというものがありますが、客観テストはその名のごとく、「だれが採点しても同じ」にならなければいけないのですが、実際そうならないテストがあります。
それは配点の問題です。
一番楽なものは配点1点の以下のようなものです。
( )の中の正しいものに○をつけてください。
はし(に・で・と)ごはんを食べます。
これは「で」以外なら得点になりませんね。
困るのは次のようなものです。
( )中に適当な動詞を入れてください。
はさみで紙を( )てください。
正解は(切っ)ですね。これが配点1点なら、記入なしはもちろん(切)も不正解ですが、3点なんかの場合は困ります。完全解答以外認めないというのは記入なしと(切)が同じく0点になりますが、この評価は妥当だとは言いにくいですよね。さっぱりわからない者と促音を書き損じた者が同じ評価だというのは賛成できません。
では、完全解答は3点、記入なしは0点だとして、不完全解答を2点にするか、1点にするか、基準を考えるのが大変ということになります。実際こういうテストを公平に採点することになると、時間がどんどん過ぎてしまいます。不完全解答も(切)のほかに、(切り)もあれば、(ぎっ)もあれば、ちゃんと促音を入れているのに漢字が少しちがっているなんてのもあります。
かつて恩師の一人が「だから、こういうテストは配点2点までにしなさい。」とおっしゃいました。完全解答2点、不完全解答は全て1点、まったく違う動詞あるいは記入なしは0点とシンプルです。
H.M.