高まる日本語教師のニーズ
日本語学習者の増加に伴い、国内での日本語教師の需要も増加しています。
日本語学習者が増加する背景には、外国人留学生や外国人労働者の増加、日本文化への関心の高まりなど、さまざまな社会背景があります。
コロナ禍で海外からの入国制限が厳格化された際には、日本における日本語学習者は大幅に減少して日本語教師の需要も低下する事態となりましたが、2022年以降は再び日本語学習者数は増加し、日本語教師が不足している状況が続いています。
日本語教師の仕事とは
現在、海外では約75,000人、国内では約46,000人もの人が日本語を母語としない学習者に日本語を教えています(海外:2021年度 国内:2023年度)。 教える場所も大学、訓練施設、語学学校、コミュニティーセンター、会社内、学習者の自宅と、さまざまです。 日本語教師には日本語を母語とする教師と母語としない教師がいます。母語としない教師は、自国で教えているケースが多いです。
日本語教師をしている人は基本的に「日本語教師になるための専門知識や技術」を学んでいます。「日本語が話せれば、日本語教師になれる」というわけではありません。日本語を組み立てているさまざまな「部品」について明示的に提示し、学習者が効率的に「日本語が使えるようになる」テクニックを持っていなければなりません。
外国語力は必ずしも必要ではありません。ただし、特定の国で教え続けるのであれば、その国で広く使われている外国語力が当然必要になります。日本語教師として大切なのは「日本語についての知識」と「教室活動の技術」です。日本国内の多国籍クラスでは全員の共通言語がないので、日本語だけで授業を行います。
出典元:日本語教育実態調査-令和5年度 結果の概要- (文部科学省 Webサイト)
2021年度 海外日本語教育機関調査 <結果概要>(独立行政法人 国際交流基金 Webサイト)
どんな人が日本語を学んでいる?
全世界141の国・地域で約379万人(2021年度)、日本国内では約26万人(2023年度)が日本語を学んでいます。
(独)国際交流基金の調査(2021年度)によると、外国の方が日本語を学ぶ理由は、世界全体では「日本語そのものへの興味」(60.1%)「マンガ・アニメ・J-POP・ファッションへの関心」(59.9%)、「歴史・文学・芸術への関心」(47.9%)、次いで「自国内での現在に仕事、将来の就職」(35.6%)、となっています。
(独)日本学生支援機構の調査(2023年度)によると、日本国内の外国人留学生の総数は、279,274人です。国籍別の人数としては、中国・ネパール・ベトナム・韓国・ミャンマーの順に多く、この5カ国で全体の76%を占めています。
また、日本語教育機関で日本語学校を学んでいる留学生は、90,719人です。国籍別に多いのは中国・ネパール・ベトナム・スリランカ・ミャンマーの順で、この5カ国で全体の80%を超えています。
出典元:2021年度 海外日本語教育機関調査 <結果概要>(独立行政法人 国際交流基金 Webサイト)
2023(令和5)年度外国人留学生在籍状況調査結果 (独立行政法人 日本学生支援機構 Webサイト)