人の成長にかかわることができる
日本語教師という仕事の魅力は人によってさまざまですが、まず第一にあげられるのは「人の成長にかかわることができる」という点です。
日本語の初心者であった学生が、授業を通じて少しずつ言葉を習得し、自信を持って日本語を話せるようになる過程に立ち合い、その喜びを分かち合うことができるのは、教師にとって非常に感慨深いことです。
学生たちが学習目標を達成したり、日本語力を活かして夢を実現したりする姿を見ることができることは、まさに日本語教師の醍醐味でしょう。
多様な文化や価値観に触れることができる
日本語を学ぶ学生は、世界各国から集まっており、異なる文化習慣や価値観をもっています。国籍だけでなく、年齢やこれまでのバックグランドも様々です。
日々の授業やコミュニケーションを通じて、学生と教師がお互いの文化の違いを理解し、尊重しあうことで、日本語教育の現場は異文化交流の場としても機能します。
学生の成長の手助けをするだけでなく、教師自身も学生とのかかわりを通じて視野を広げ、成長し続けることができるのも、日本語教師という仕事の大きな魅力の一つです。
これまでの経験を活かすことができる
日本語教師の仕事は、教科書に書いてあることをそのまま教えるだけではありません。学習者が実際の生活や学問、仕事の場で活かせるように説明したり、場面を想定した練習をしたり、といった応用力が求められます。時には、特定の分野に関する日本語の知識が、指導に役立つこともあります。日本語教師としてのキャリアが浅くても、これまでの人生経験は、まるごと日本語教師としての強みとなります。
日本語教師に外国語力は必須ではありませんが、いずれかの外国語スキルをもっていると、その言語を話す日本語初級者にとって大きな安心感を与える場合もあります。さらに、第二言語を学んだという経験があることで、共感的に学習者と接することができるというメリットもあります。
よりよい社会を作っていく上での重要な役割を担う
日本で外国人に日本語を教えることは、ただ日本語を教えるということにとどまらず、日本社会の一員として生活する外国人をサポートしているともいえます。
彼らは日本語を学ぶことで、行政や近隣住民とうまくコミュニケーションできるようになるでしょう。彼らの生活がスムーズになることで、多様性を受け入れる社会の実現につながります。そして、日本で働きたい外国人へ日本語を教えることは、日本を支える人材育成の一端を担っているともいえます。
日本語を学んだ学生たちは、日本での学びや経験を母国の人々に伝えてくれます。日本語教師は、彼らに日本語を教えることを通じて、世界と日本の架け橋になれます。これらの点から、日本語教師という仕事は社会的意義の大きい仕事であるといえます。